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「ギリギリだった。本気で大惨事になるかと思った」
結局誰も助けには来てくれず、漏れちゃうぞという所でロープがぷちんと切れた。
男は自分の重さに感謝した。
「どうしてこの家はこんなことになったかなあ……」
男は、殺風景なはずの寝室で見慣れない物を見つけた。
「これはさすがに俺の持ち物じゃないよな」
昭和レトロな花柄ファンシーケース。
実に可愛らしい布の看板が下がっている。
【お前の罪を数えてみろ】
怖いものは見たくなるのが人の性。
男は真剣な顔で、ケースのファスナーをそっと下ろしてみた。
色とりどりの布や糸やリボンに囲まれた仙 冬可がそこにいた。
「殺っとこピンとキルUピン、どっちが好き?」
にっこり。
男は、ケースのファスナーをそっと元に戻した。
【完】
流星さん画
秘密の扉をあける。真剣。↓
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