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「……増えてる。やっぱり増えてる」
いくら鈍い男とはいえ、ここまで見慣れない柱や箱が増殖してしまうとさすがに気づくらしい。
「このみかん箱……」
男が指さすと、箱が微かに震えた。
「間違いない。これはぺっきー箱だ」
箱は更に左右に揺れた。
「箱の上にコーヒーや茶っ葉をぶちまけた跡だらけだ。こんなマダオちゃんはぺっきー確定」
堪えきれなくなったらしく、紺野 碧がみかん箱から顔を出した。
いつからスタンバイしていたのだろう。
「……うぉ、何か別人!」
「俺だってどうかと思うよ。イケメンマスクとかハンサムマスクとやらいうらしい」
「髪も増量した?せっかくりあ○ぷ持ってきたのに」
「安心すると良い。こんな顔は3分ももたない」
3分どころか、30秒で元に戻った。
「相変わらず残念な人だよね」
「みかん箱にいわれたくないな」
どっちもダメなオトナには違いない。
【完】
流星様画。鎖骨をみせるぞバージョン。前ページと一緒にいただきました、ありがとう!↓
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