【最北のひと希里】

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「益々混沌としてきたな。とはいうものの腹は減る。何かなかったかな」 冷蔵庫を開ける。 「……」 閉める。 もう一度開けてみた。 夢ではない。 「こらこら、冷蔵庫は物を凍らせない為に必要なのに。そんなにパタパタしたら凍っちゃうから」 「いや、この南国じゃ凍らん。っていうか根本的に冷蔵庫の使い方間違っとる。そもそも冷蔵庫から現れるのも」 「何か知らないけど繋がってた!」 北の大地の住人が何故、とはいうべきではない。 何があっても不思議ではないのだ。 微乳を超越したと噂される、点乳美女希里。 「あっちはまだ氷に閉ざされてるからね、ちょっとお花見にと思ったのにすっかりハゲ散らかして。使えない南国だな」 男は、何だか自分のせいのような気がして切なくなった。 【完】
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