【名誉熟女ごんちゃん】

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流星の侵入から半日が経ち、男はようやく目を覚ました。 玄関を占領していたポスターは、イケメンが過ぎて男の面影は残っていない。 何と言ってもフッサフサである。 引き締まった身体につけているのは胸当てか腹掛けだろうか。 何にしてもどうしてこうなったのかはわからない。 ミシッ。 屋根裏部屋から不審な音がした。 (またか!いや、鼠かもしれない、イヤーッ) 昔、押し入れで昼寝をしていたら、つま先を鼠が通り過ぎていった。 あの身の毛のよだつ感覚は未だに忘れられない。 トントントンと梯子を降りて来る音が聞こえて、今度こそ男は飛び上がった。 「兄さん、屋根裏部屋ボロボロやん。ゴロゴロしとるなら補修くらいしときなさいね」 「姐さん!?あんたらホントどこから入って来るんだよ」 姐さんことごんちゃんは、事も無げに答えた。 「スッポンポンに開け放しとるやん。玄関は閉めとかにゃ不用心やろが」 そんなはずはと言いかけたが、記憶は曖昧だ。 ノッシノッシと廊下を横切り、ごんちゃんはポスターをビシッと指差した。 「別人やな」 ごんちゃんのガハハ笑いが響き渡り、更に生命力を削られた男は、床に倒れ伏した。 【完】 ※画像の反映には時間がかかります。 数時間お待ち下さい。 流星さん作です。image=498989225.jpg
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