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第2章
翌朝、僕は目を覚ますとベッドから起きあがり、カーテンを開けた。
窓から見える空は青く、絶好のツーリング日和だった。
「ん~、良い天気だ」
僕は、早速着替えを済ませ、軽い朝食を取ると、ヘルメットとグローブを持ち部屋を出る。
アパートのバイク置き場に行き、自分のバイクを押して外に出した。
僕のバイクは
ホンダのVFR800F
と言う、大型バイクで、その他に軽自動車を所有していた。
篠田はよく
「何で、車よりバイクの方が排気量が上なんだよ」
と言っていた。
僕は、バイクのエンジンをかけると、携帯を取りだし、バイクの写真を撮ると、ブログに
『出発前』
と書き込んだ。
携帯をウエストポーチにしまいヘルメットをかぶり、グローブをはめて、バイクに跨がった
「やっぱり、海にでも行こうかな」
僕はそう思い、ルートを考えアクセルを軽く煽ると、エンジン音が響いた。
クラッチを握り、ギアを1速に入れると、アパートの駐車場を出発したのだった。
しばらく走ると、僕の乗ったバイクは、街中を抜けて海岸沿いの道を走っていた。
左手に海を見ながら走っていると、道の駅を案内する看板が見えて来た
「休憩するかな」
僕はそう思い、減速しながら、ウインカーをつけると、道の駅に滑り込み、バイク専用の駐車スペースにバイクを止め、エンジンを切り、ヘルメットを脱いだ。
「ちょっと疲れたな。運動不足だなこりゃ」
僕は、自動販売機でコーラを買うとベンチに座りながら、海を眺めた。
「良い景色だよな」
僕はそう言いながら、ウエストポーチから携帯を取り出しバイクを入れて、海の写真を撮った。そして
『海に来てます。天気が良くて最高です』
と、ブログを更新すると
「あっ、そうだ」
と言いながら、生駒玲奈ちゃんのブログを見た。
バイクで走っている時に玲奈ちゃんのブログが更新されていた。
「走ってたから、気がつかなかったな」
僕がブログを見ると、題名が
『おしらせ』
となっていた。なんだろう?そう思いながら、ブログを開くと
『ずっと頑張っていた、車の運転免許を取ることが出来ました。\(^o^)/ 自分の運転で、いろんな所に行ってみたいなー。安全運転、ガンバロー』
と言うコメントと、ブイサインをしている本人の写真がアップされていた。
教習所に通っていたんだ、芸能界の仕事があるのに凄いなと思いながら
『免許取得、おめでとう。交通事故に注意して、カーライフを楽しんでくださいね』
とコメントし、更に自分がバイクで走って、綺麗な景色を見つけた場所を書いて、彼女のブログに書き込みをしたのだった。
僕がコメントをした時
『おめでとう、がんばりしたね』
『助手席、乗せて』
『事故にきおつけて』
『凄いですね。おめでとうございます』
等、既に沢山おめでとうコメントが入っていた。
「すごい人気だな。もう、コメントが沢山来てる」
僕は、ブログを確認して携帯をしまうと、ベンチから立ち上がりヘルメットをかぶり、道の駅を出発した。
僕は、海から目的地を変更し、山の方に向かって走る。
新緑の中の道を走る
「ちょっと、飛ばすかな」
そう思い、アクセルをあけた。
木々が飛ぶように流れて行った。
時々、対向車線を僕と同じ様に走っているバイクとすれ違った。
軽く手をあげて挨拶をすると、相手も挨拶を返してくれた。
まったく知らない人と、挨拶をする。僕はこの瞬間が嫌いではなかった。
山道特有の連続したカーブを抜けると、途中で名産品を扱っている、お店を見つけた。
見つけたお店で、篠田に渡すおみやげを買う
「お土産は無いと言ったけど」
と、僕はこの日、暗くなるまでバイクで走って自宅に帰ったのだった。
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