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第1章
携帯がメールの着信を僕に伝えている。
僕は車を路肩に止めると腰に着けた、携帯ケースから取り出し、メールを確認すると、来ていたメールは、僕が登録しているブログが更新された事を知らせるメールだった。
そのブログは、僕が応援している、女性アイドルグループ
『桜坂47』
のメンバーである、
『生駒玲奈』ちゃん
のオフィシャルブログだった。
僕は、その内容を確認すると、前日に行われたコンサートの裏話的な話と、次のイベントのお知らせが書いてあった。
僕は
『コンサート、お疲れ様でした。仕事で参加出来なかったけど、次のコンサートには参加したいです』
と、コメントを残した後に
「ついでに」
僕は呟き
【とん汁屋の気ままな旅】
と言う、自分のブログのページを開いた。
その日にあった事や予定等を、気ままに書いている
ブログだった。
『明日の休みはバイクで、海にでも行こうかな?』
と、僕は自分のブログを更新して、携帯をしまうと
「さあーてと、もうひとふんばりしますかね」
そう言いながら、次の訪問先に向かって、車を走らせた。
僕は、明日の休み、久しぶりにバイクでツーリングに行くつもりでいたので、気持ちはすでに休み気分でいた。
最後の訪問先での営業を終え、会社に戻ったのだった。
「ただいま、戻りました」
僕はそう言いながら、事務所に入る
「お疲れ様」
先に事務所に戻っていた、同僚の篠田が声をかけてきた。
「まだ、居たの?」
僕が言うと
「明日、休みだからな。もう少しやってから帰るつもり」
「そうなんだ。明日、どこかに行くのか?」
僕が聞くと
「明日は、とりあえず家でゴロゴロするか、ネットに潜る予定かな」
と言う
「不健康だな~」
僕が言うと
「そう言うお前は、バイクか?」
と聞いてきた
「そうだよ。気の向くままに走るつもりさ」
「そうか。もう5月だからな、天気も良いだろし、寒くも暑くもないから、ちょうど良いかもな」
「気分良いよ。篠田も、バイクに乗らないか?教えてやるけど」
僕が言うと
「バイクには乗ったらダメだって、ご先祖様からの言い伝えがあるから、乗らない」
篠田は答えた
「じゃあ無理には誘わないよ、言い伝えは守らないとな」
僕が言うと
「そう言う事。まあ、明日は事故には注意しろよな」
と言ってきた
「そうするよ。お土産は期待するなよな。ぶらり旅なんだから」
僕が言うと
「お土産無しか。残念」
篠田は悔しそうに言った。
「さあーて。仕事を片付けて、明日の為に早く帰らないと」
僕は、そう言いながら残りの仕事に手をつけた。
ここでちょっと、自己紹介
内村誠、23歳の会社員
趣味はバイクと車そして少しのネットの自称アウトドア派。休みの日には、バイクで出かけたりしては、ブログを更新したりしていた。
今話しをしていたのは、同僚の篠田と言い、僕と同じ時期に入社した事もあり、仲が良かった。
僕とは逆にのインドア派で、ネットで旅をしているアウトドア派と言いきっていて、僕のブログにもコメントをつけていた。
ちなみに僕のハンドルネームは
『とん汁屋』
で、篠田は
『イケメン篠田』
と言うものだった。
そして、この日は二人で仕事を切り上げると
「お疲れー」
と挨拶をして、会社を後にしたのだった。
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