第1章

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「…ごめん、千尋もう大丈夫。火野もごめん、俺人に触られるのちょっと、トラウマというか…だから…」 まだ、知り合ったばかりの二人に過去を打ち明ける勇気はない、初対面でする話でもないだろう。 …もう少し、こんな俺とでも仲良くしてくれるのであれば、いずれかは話しておきたいと思う。 ずっと千尋と一緒にいた。俺はこんな性格だから他の人を近付けなかった。特に、あの頃はまだ両親に虐待されてたし、一連のことが解決したばかりの中学時代は今より心が荒んでいたからだ。 高校になって、ゆとりがもてた。それでも、触れられるのだけはまだなれない。 「そうだったの?これからは気をつけるね、教えてくれてありがと!」 火野のその一言に、笑顔に、この二人とならやっていけそうと本当に感じた。
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