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病院まであと少し、建物が視界に入っている
のに、不意に民家から出てきたヤツらのせいで前を塞がれている
「積んだな!」
アキラはバットを握りしめる
「やめろ」
ゆうを抱え直す、コアラのようにしがみついた、子供でも力が凄いんだなぁと感心するが長くは無理だろう
こちらに気づいたのか駆け寄ってくるヤツらの手を凪ぎ払いバットの感触に痺れる手を押さえ込み肩や頭を叩き込む
死にはしないみたいだが足止めは出来るだろう
「走るぞ!!」
鈍い音がする、二人で掴みかからんとする化け物をなぎ倒し。起き上がるヤツらから走って逃げる
「なんつーゲームだこの状況!」
アキラは慣れたバットの振りで頭をピンポイントに狙う、力も足りない俺は何度も振り下ろす
その度に鈍い音が響く血がバットに付きはがれた塗装の隙間に頭髪がくっついている
「いそげ!!」
なんとか振り切り坂を勢い任せに走る、こけるかもしれないが今は構っていられない、無我夢中だ二人は目の前に見える病院へ
塀の端に小さな扉が見えた、
勢いよく開け滑り込むように入った、バンッと閉め引っ掛かっていた南京錠をかける
ドアを叩く音がするがけ鉄のドアを叩く
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