別れ

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夜になりお母さんが仕事から帰って来ると、おばあちゃんが夕ご飯を準備してくれて、おじいちゃんも含めた4人で食卓を囲む。 それから今日あったことや色んなことを話しながらご飯を食べる。 私はそれが幸せだった。 お父さんは仕事から帰ってくるのがいつも遅くて、夕ご飯はお母さんと2人きりだったから、賑やかな夕ご飯は私には新鮮なのだ。 「今日ね、美嘉と修也と翔と4人でアイス食べに行ったの。 そしたらね、翔と修也がすごく美人の店員さんがいた!!って騒いでて、見たらお母さんだったの。 びっくりしちゃった。」 私が笑いながら話すと、お母さんも笑って話を聞いてくれる。 「みんなお母さんのこと褒めてくれて、すごく嬉しかったなぁ。」 「結愛たちがいるなんて全然気づかなかったわ。 あそこのアイス、美味しいでしょ? お母さんも気に入ってるのよ。」 そう言って微笑むお母さんはどこか元気が無く、無理をしているようにも見えた。
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