2人が本棚に入れています
本棚に追加
そして台所からの帰り道、お母さんの部屋から漏れていた明かりが消えていた。
寝たのかな、と思ったが、部屋からは声を抑えて泣くいているお母さんの声が聞こえた。
私は胸が締め付けられるような気持ちがした。
だけど声をかけることは出来なくて、私はお母さんの部屋の前に座って静かに泣き声を聞いていた。
行かないで
私を1人にしないで
ずっと一緒って言ったじゃない
泣き声に時折まじってるお父さんへのメッセージ。
普段私には見せないお母さんの本音の弱い部分。
私はそれを聞きながら、つられて涙を流した。
どれくらい経っただろうか。
ようやくお母さんの声が聞こえなくなり、代わりにかすかな寝息が聞こえてきた。
私はホッとして立ち上がり、自分の部屋に戻った。
長い時間泣いていたせいか、目元がひりひりする。
絶対明日まぶたが酷いことになるだろうなと思って、私は濡れたタオルを目元に当てて冷やしながら寝た。
最初のコメントを投稿しよう!