2人が本棚に入れています
本棚に追加
/22ページ
「別に送ってくれなくても大丈夫なのにー。」
私はそうこぼした。
だって、方向違うのにわざわざ送ってもらうのは申し訳ない。
しかもまだそんなに暗くないし。
「いーんだよ、俺が送りたいだけだから。」
翔のくせに珍しく優しいことを言うから、私はなんて返したら良いのか戸惑ってしまった。
「…なに?惚れちゃった?」
翔がにやっと笑いながら、私の顔を覗き込む。
私は思わずドキッとしてしまった。
こんなの、ずるい。
翔は性格こそこんなだけど、顔は整っていて女の子によくモテる。
そんな顔が近距離にあれば、どんな女の子だってドキッとしてしまうだろう。
「残念、惚れてません。」
私はドキッとしたのが少し悔しくて、翔のほっぺたをつねってやった。
最初のコメントを投稿しよう!