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「あの・・・こんにちは。こちら探偵事務所だと聞いたのですが」
士郎がドアを開けると、一人の少女が居た
彼女は不安げに尋ねる
「ええ、そうですが・・・何かご用で?」
相手を観察しながら彼はいぶかしげに答えた
士郎が不審に思うのは仕方がない
清楚な服を着て化粧もしていて一見、二十歳ぐらいに見えるが、どこか雰囲気にあどけなさがある
そんな少女が古く胡散臭げな探偵事務所に訪れたのだから
(何でこんな所にガキが・・・)
彼の眉間にシワが寄る
「わたし、依頼があってここに来ました! お願いします、わたしの話を聞いて下さい!!」
少女は士郎の不審げな眼に構わず、強く訴える
士郎は適当な事を言って追い返そうとしたが、少女のどこか悲痛を抱いた瞳に気づいた
「どうぞ・・・話を聞きましょう」
「ありがとうございます!」
士郎は複雑な思いで少女を事務所へと迎え入れた
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