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「曜子には七つ違いの妹がいました・・・三年前に亡くなりましたが・・・」
ミオは寂しげな声で訥々と話す
「名前は日向(ひなた)ちゃんと言って、曜子と絵本が大好きな女の子でした」
「曜子も年も離れていたからか、そんな日向ちゃんをとても可愛がっていました」
「絵本を読む時の曜子は優しげで、日向ちゃんも楽しそうに笑っていて、わたしや他の友だちもそんな二人の姿を微笑ましく思っていました。でも・・・」
少女は一拍息を止める
「・・・・・・事故に合って彼女は亡くなりました・・・運転手の不注意で・・」
その日を思い出したのか、ミオの瞳に涙が溢れてきている
「曜子は言ってました、 日向ちゃんの分まで生きるって!」
「あの子に喜んで貰えるような絵本を描くって!」
ミオは嗚咽を押さえるように士朗に訴える
堪えきれなかった涙が彼女の頬を一筋濡らした
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