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身体の鋭い痛みによって食べるスピードが遅い私は、紫葵くんへの感情に抱いた違和感が頭から離れず、さらにスピードが遅くなった。
食器を回収にきたナースが「あら、まだ食べてたのね!」といってスプーンを私の手から奪い、あーんをして食べさせてくれた。
おかげですぐに食べ終わることができ、「朝、気がつかなくてごめんね…。しばらくは私が食べさせにきてあげるわね!」といいながら食器を片付けに出て行ってしまった。
精密検査とご飯ですでに疲労が溜まっていた私は、ベッドに横になり、またさっきの考え事の続きをしていた。
星苑には感じなかったことが感じる紫葵くん。
違和感でしかない。
…でも、逆に星苑には感じることは紫葵くんには感じない。
悲愴感と安心感。
全く異なる感情。
きっと、幼なじみならば紫葵くんにも安心感は抱くはずなのに、なんで…?
考えても考えても思い出せない。
私の記憶は昨日と今日の2日間だけ。
それよりも前はどうしても思い出せない。
どうして私はこんな怪我を負って、記憶をなくすことになったんだろう。
私の記憶をなくす前の人間関係は?
思い出は?
…わからない。
わからないなら聞くまでだ。
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