第1章 執行者、トラックに轢かれる

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だが、そんな性格の俺でも我慢の限界と言うものはある。 例えば、 「ね~ね~、龍也く~ん。」 「今龍也は私と話をするんだ!!邪魔をしないでくれ!!」 「違うわよ。私と話をするのよ。」 「違います~。私です~。」 このハーレム4人組。とてもウザイ。コイツらの目は何処に付いているんだ。明らかに今話していたのは俺だろう。 ちょっと待て、今の発言はハーレムに加わった訳ではなく、ただ事実をだな…。いや、そんなことはどうでもいい。 俺が話しているといつも割り込んできて、その挙げ句誰が龍也と話すか揉めるという。この現象は俺と龍也がこの高校に入ったその日から始まった。その日以来俺は約1年耐えてきた。 そろそろ俺の性格でも頭にくるものがある。何せコイツらは話の邪魔だけでなく、一緒にいるだけでイジメのような嫌がらせをする。そしてその被害は俺だけでなく学校全体に広がっている。 まあ、その理由は龍也のファンクラブが学校の女子生徒の半数に及ぶからだ。 この事からも分かる通り、龍也はイケメンで運動神経抜群で更に頭もよく、極めつけには親が金持ちというパーフェクト人間だ。 ん?さっきの事だけじゃそこまで分からないって? 知らんな。
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