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足がすくんだのか、
それとも術なのか
動けなくなった二人に
ゆっくりと近寄って来る
彼女の目の前で
達也と美咲の身体が
宙に浮いた。
「うわぁ」
浮き上がった体が
落下して
背中が何かに
ぶつかった痛みと
しっかりと抱きしめた
美咲の温もりが
達也を覆った。
「こ、今度はなに?」
強い風が頬に当たる。
今まで風はそれほど
吹いていなかったのに
と思ったら
前から声がした。
「アブナイ危ない。
コンビニ吸血鬼に
献血サービスは
しなくていいから」
「こ、これは何~?」
「リヤカーだよ。
知らないかなぁ」
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