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自転車の荷台に
付けられたリヤカーは
信じられないことに
自動車並みの速度で
走っていた。
線路脇の遊歩道を走るには
危険すぎる速度だ。
「これって、
まっは何とかね」
「あ~、KKKだっけ」
「それはサッシ屋さんでしょ、
窓とか作ってる」
「そうだっけ?
でもあれ、名前変えたよね。
なんて言ったっけ」
つい今しがたの緊張感も
どこへやら。
いつもの二人の会話に
笑い声が
前から聞こえて来た。
その声に達也は覚えがあった。
「黒岩さん?」
「正解。
よく覚えていました」
「黒岩さんって?」
「え~と、駅で俺を轢いた人」
「はぁ?」
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