父の香り

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 昨今の少女漫画は進んでいて、そんな大人びたストーリーになる作品も珍しくないのだ。ある程度の免疫が出来ていた。  (それで、グチャグチャの胸焼け起こしそうな展開になるんだよね)  美子は普段の生活では母を頼りにしていたが、警戒もしていた。  (いつも、ものわかりのいい顔をしているけど、潔癖症なところがあるから、こういうのはダメでしょう)  空想の世界なら大好物だが、現実に両親が《グチャグチャ》になるのは耐えられない。  だが放置していいとは思えなかった。
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