ひもず

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保「フェイスブックにヒモのコミュがあってさ、そこで知り合った」 マキコ、引きつった顔で、 マキコ「ヒモのコミュって・・・何?」 保「んで、女にあいそつかされちゃって行くとこなくってさ、今日から一緒に住むから」 佐藤、座ったままお辞儀して、 佐藤「よろしくお願いします」 マキコ「よろしくって・・・」 台所から水の音。 保「マキコー」 マキコ「何よ!」 保「みずー」 マキコ、はっとして慌てて台所へ行く。 マキコの声「あーあふれてるー、もー、一体なんなのよー」 ◯同 アパート 外観 (朝) 古ぼけた2階建アパート。 ◯定食屋『かつじ』 中 制服姿で食事をするマキコと陽子。 マキコ、身振り手振りでガミガミ話をしている。 ◯アパート マキコの部屋 玄関 中 (夜) 暗い表情で入ってくるマキコ。 マキコ「ただいまー」 台所に立つ佐藤。 佐藤「あっマキちゃんおかえりー」 マキコ、引きつった顔で、 マキコ「・・・マキちゃん」 佐藤「ねっマキちゃんこっち来て」 佐藤、マキコの手を取って居間に連れて行く。 居間を見て笑顔になるマキコ。 テーブルの上に並ぶ豪華な日本食。  × × × マキコ、食べながら、 マキコ「ウマイ!何これ?佐藤君が作ったの?」 佐藤「でしょー、板前の修行してたんだぁ」 マキコ「スッゴイうまい!お店出せるよ」 ◯同 玄関 外 (夜) タバコを吸いながら玄関前に立つ保。スマホのバイブ音。ポケットからスマホを取り出す保。 スマホ画面、『ねーちゃん』の文字。スマホに出る保。 保「なんね?」 姉の声「なんねじゃなかろうもん、あんたいつ帰ってくると?お母さんももうおらんし、私も旦那の実家があるし、お父さんの世話できるのなんもしてないあんたしかおらんとよ」 保「分かっとるて、すぐ帰るけん。じゃ切るけんね」 保、スマホを切りポケットにスマホをしまう。部屋の中からマキコと佐藤の笑い声。タバコの煙を吐き出し歩き出す保。 〇住宅街 (夜) 住宅街を歩く保つの後姿。 ◯アパート マキコ宅 居間 中 (夜) 笑いながら食事をするマキコと佐藤。 マキコ「あれっ?そういえば保は?」 佐藤、ドギマギして、 佐藤「う、あ、ああ、なんか用事がある、とか」
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