0人が本棚に入れています
本棚に追加
マキコ「用事ぃ?女じゃないの」
佐藤「そんな人じゃないよ」
マキコ「なんでわかんのよ」
佐藤「なんでも」
不思議そうな顔のマキコ。
佐藤「それよりさ、明日何してんの?休みでしょ?ねっデートしようよデート」
マキコ「えっ?デート?」
◯井の頭公園
カップルや親子連れで賑わう。
池が見渡せるベンチに座るマキコと佐藤。
マキコ「あー楽しかったぁ」
佐藤「そう、よかったぁ」
マキコ「あー、私、佐藤君みたいな人にすればよかったぁ、料理上手だし、面白いし、優しいし」
佐藤「あーでた、男を傷つけるワードNO1」
マキコ「そんなことない、アイツなんかよりずーっといい。だってアイツ昨日結局帰ってこないし、絶対女だと思う」
佐藤「大丈夫だよ、だって、保っちゃん言ってたよ、ヒモの心得」
マキコ「何それ」
佐藤「ヒモってのはさ、一生女を幸せにはできないって、その代わり今一緒にいる瞬間は全力で幸せにするって、一瞬に一生分の幸せをあげなきゃいけないんだって」
マキコ「何それ?ヒモを正当化してるつもり」
佐藤、眉間に皺をよせ、
佐藤「うーーんダメか、保っちゃん、ゴメン、やっぱ我慢できない、マキちゃん、実はね」
◯マキコ宅 居間 (夜)
部屋に立つ保。傍にはバッグ。
部屋を見回した後バッグを持つ保。
8時を指す部屋の時計。
玄関のドアが開き、息を切らしたマキコが入ってくる。驚く保。
マキコ、部屋に上がって叫ぶ、
マキコ「なんなのよ、お父さん倒れて実家継がなきゃいけない?今日出て行くから実は幼馴染の佐藤君に引き止めとけって?だから、佐藤君を私にあてがって後は頼むって?」
保、舌打ちをして、
保「アイツ、使えねぇ」
マキコ「男なら俺について来いの一言くらい言えないの!こっちは何年待ってたと思ってんのよ」
保「悪ぃ、俺遠距離とか無理だし、じゃあ行くわ」
保、バッグを持ち玄関を出て行く。
泣きそうになるのをこらえるマキコ。
× × ×
8時10分を指す時計。ボーッとする マキコ。玄関のドアが開く。玄関に立つ保。
保「ごめん、お前がいないって考えると5分と保たなかった、俺に・・・ついてきてよ、お前いないとなにもできない・・俺やっぱヒモだわ」
マキコ、泣き笑いで、
マキコ「一体なんなのよ」
最初のコメントを投稿しよう!