ひもず

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マキコ「用事ぃ?女じゃないの」 佐藤「そんな人じゃないよ」 マキコ「なんでわかんのよ」 佐藤「なんでも」 不思議そうな顔のマキコ。 佐藤「それよりさ、明日何してんの?休みでしょ?ねっデートしようよデート」 マキコ「えっ?デート?」 ◯井の頭公園 カップルや親子連れで賑わう。 池が見渡せるベンチに座るマキコと佐藤。 マキコ「あー楽しかったぁ」 佐藤「そう、よかったぁ」 マキコ「あー、私、佐藤君みたいな人にすればよかったぁ、料理上手だし、面白いし、優しいし」 佐藤「あーでた、男を傷つけるワードNO1」 マキコ「そんなことない、アイツなんかよりずーっといい。だってアイツ昨日結局帰ってこないし、絶対女だと思う」 佐藤「大丈夫だよ、だって、保っちゃん言ってたよ、ヒモの心得」 マキコ「何それ」 佐藤「ヒモってのはさ、一生女を幸せにはできないって、その代わり今一緒にいる瞬間は全力で幸せにするって、一瞬に一生分の幸せをあげなきゃいけないんだって」 マキコ「何それ?ヒモを正当化してるつもり」 佐藤、眉間に皺をよせ、 佐藤「うーーんダメか、保っちゃん、ゴメン、やっぱ我慢できない、マキちゃん、実はね」 ◯マキコ宅 居間 (夜) 部屋に立つ保。傍にはバッグ。 部屋を見回した後バッグを持つ保。 8時を指す部屋の時計。 玄関のドアが開き、息を切らしたマキコが入ってくる。驚く保。 マキコ、部屋に上がって叫ぶ、 マキコ「なんなのよ、お父さん倒れて実家継がなきゃいけない?今日出て行くから実は幼馴染の佐藤君に引き止めとけって?だから、佐藤君を私にあてがって後は頼むって?」 保、舌打ちをして、 保「アイツ、使えねぇ」 マキコ「男なら俺について来いの一言くらい言えないの!こっちは何年待ってたと思ってんのよ」 保「悪ぃ、俺遠距離とか無理だし、じゃあ行くわ」 保、バッグを持ち玄関を出て行く。 泣きそうになるのをこらえるマキコ。 × × × 8時10分を指す時計。ボーッとする マキコ。玄関のドアが開く。玄関に立つ保。 保「ごめん、お前がいないって考えると5分と保たなかった、俺に・・・ついてきてよ、お前いないとなにもできない・・俺やっぱヒモだわ」 マキコ、泣き笑いで、 マキコ「一体なんなのよ」
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