『191センチの恋』 宮藤シンイチ

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 昨日友達と出かけると言っておいたのに、母は驚いた表情をしていた。 「あら、いらっしゃい。お友達?」 「あ、はい。初めまして、小野です」 「小野くんね。あ、どうぞどうぞ、上がってちょうだい」 「ありがとうございます。おじゃまします」  小野はいつもの微笑みを母に向けながら、挨拶をして靴を脱いだ。  母は普段あまり表情を変えずに淡々と話すのだが、今の嬉しそうな様子からすると、小野の好感度はかなり高かったようだ。こんなに綺麗に笑う人を嫌がる人なんて、やっぱりいないのだなと感心した。  二階にある殺風景な部屋に小野を案内すると、部屋いっぱいに敷き詰められた本棚に小野は驚いた様子だった。 「すごいな……。ここも図書館みたいだ」 「そんなには多くないよ」  本当にそこまでの数は揃えられていない。ただ小学校一年生から始めた読書をする習慣も、もう今年で十年目だ。それを考えると、一般的な高校生よりは持っている小説の数も多めなのかもしれないと思った。 「これは……?」

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