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これでウチも近所も静かになるなら、憎まれ役くらいどうということはない。そんな気持ちで家に入ったのだが、午後になって、また懲りずにイタズラが仕掛けられた。
問答無用であの子供らの学校に連絡を取ろうと思ったが、昼前に散々叱られたのに、懲りずに昼から同じイタズラを繰り返すというのも妙な話だ。
もしや、他にもイタズラをしている子供がいるのではないだろうか。やい、むしろその可能性の方が高い。
今日は多分もう来ないだろうから、来週、もう一度同じことをしようと妻と話し合い、約束をした。
そして一週間後。
先週と同じようにスマホをポケットに忍ばせ、私は門の陰に身を潜めていた。
まずはスマホが揺れる。そうしたら直にチャイムが鳴るから、それと同時に飛び出そう。
その取り決めが崩れた。
スマホが震えるより先にチャイムが鳴ったのだ。
咄嗟に門の外へ駆け出たが、そこには誰もいなかった。
妻が見落としたのか? でも、このイタズラに私以上に悩まされ、徹底的にと言っていたのはむしろ彼女だ。イタズラ犯を見逃すようなことはないだろう。
スマホにも異常はないし、連絡ミスはあり得ない。となると、犯人の逃げ足が予想以上に早かったということか。…だが、逃げ足が速くても姿はカメラに映るだろうし、何か道具を使ってもばっちりそれが映る。むしろそんな手間のかかることをしていたら、こんなに早く逃げることはできないだろう。
チャイムが鳴ったと勘違いしたのか? でも、一人ならともかく、夫婦で?
何を考えても答えが出ないが、ひとしきり考えられそうなことを話し合った後、私と妻は、もう一度午後に貼り込みをすることにした。ただ、今度はお互いの役柄を変えて。
私がカメラの映像を監視し、妻が屋外で犯人を取り押さえる。役割をそう替え、私達は配置についた。
インターフォンのカメラ映像を見つめる。家に近づいて来る者はいない。棒切れとかの類も映らない。
なのに、唐突にチャイムが鳴った。
慌てて妻に確認を取るが、門の外には誰もいないと言う。出て行って私も周囲を確かめたが、人がいる様子もなければ、何か使えそうな品が落ちているということもなかった。
ただ、気になったことが一つ。
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