招かれざる変革

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それは10と数年ほど前のことだった。小学校の高学年にして少し早い厨二病という風変わりな病を発症した俺がいつもの様に唸らない腕を振り回していた時だった。 「大丈夫?セバスちゃん、またおててが痛いの?」 セバスちゃんというのは俺のあだ名だ。洗馬杉雄(せば すぎお)でセバスと呼ばれるのはいつからだったかもう覚えていない。そして、俺をセバスちゃんと呼ぶこの女の子が月影真央(つきかげ まお)。俺の幼馴染にあたる。年は3つほど上だったが、当時から俺を可愛がってくれる優しい女性で、時折見せるドジな姿が堪らなく愛らしい。学生にとって3つの年の差というのは社会人のそれとは比べものにならない。
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