1人が本棚に入れています
本棚に追加
/4ページ
春の終わりにいなくなる
15歳 一番楽しくて、一番悩みや辛いことが多い時期、もちろん僕、平塚貴寿にも悩みがある。
高校に入学してすぐ、4月12日だ。
「なんで桜は私たちの前進を祝ってくれないんだろうね」
幼馴染 兼 恋人 である佐伯美緒 が 桜の花びらを受けて、いや、まだ咲いていない桜の花びらを受けて、そう呟いた。
何気ない一言だった、この頃の俺にはこの時の美緒を理解する余裕は無かったのかな。
美緒が一歩前に行き、くるっとこっちを向いた、
「貴寿も、、、いや、なんでもない」
ちょっと、ムッとしてでも笑顔は壊さない、美緒はたまにこういう顔をするのだ。
「なんだよ気になる」
「なんでもないって」
笑顔の君はもう何かに気づいていたのかな、
付き合い始めたのは中学三年生になってすぐのときだった。
美緒が泣きながらいきなりキスをしてきた。
「貴寿が、、、貴寿が好きだよ、、、ずっと好きだったよ」
「え、え、あの、えーと」
なきやんだ美緒は僕から少し離れて振り向いた
「わかってる、私はそういう対象じゃないって、でも、いつになってもいいからちゃんと言って待ってるからね」
最初のコメントを投稿しよう!