暗黒のマンション

3/41
前へ
/161ページ
次へ
大きな物音がしたので、 「お母さん?」と言って、凛唯は振り返る。 そこには本が落ちていた。 「これが落ちただけか…」 少し安心した彼女が ふとリビングの入口を見ると、 そこには2つの不気味な人影があった!! 「きゃぁぁっ」 一瞬、泥棒だと思い、驚いた凛唯だったが、 不気味な人影の肌と動きは 人のものではなかった。 その灰色の人影が、口を大きく開ける! 凛唯は頭の中で サイレンが鳴り響くのが聞こえた。 ゾンビだ―――――!!! 「うじゃぁぁ」と不気味な声を上げて、 2体のゾンビは勢いよく向かって来た! ゾンビの白い目が飛び出ているのを見た凛唯は、 恐怖で足を竦ませ倒れる。 「あ…、な、何?…」 ゾンビは1m前まで来た! 凛唯は、咄嗟にさっきの本を拾い、 ゾンビの方に投げる。 本の当たったゾンビの腹が、抉れているのが見えた。 ゾンビの灰色の手足や首も、傷まみれだった。 怯むことのないゾンビを見て、 凛唯は逃げなければ死ぬと思い、足に力を入れる。
/161ページ

最初のコメントを投稿しよう!

7人が本棚に入れています
本棚に追加