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凛唯はもう完全に躱せないと悟った――。
しかしその時、
何故かゾンビは顔を静止させた。
「でぃ……ぼぅ……ぉぉ…ぶわぁ…」
不気味な声を出して、
ゾンビは頭を震わせている。
凛唯はゾンビの何十倍震えながらも、
ゾンビの行動を不思議に思う。
その瞬間、
凛唯の頭に激しい痛みが走った。
「うぅっ…」
あまりの痛みに彼女は目を瞑る。
すると頭の中に
何かの映像が見えた。
………
それは暗い荒野の映像だった。
荒れた大地の所々には、
緑色の草が生えている。
凛唯はその荒野に
自分が立っていることを理解した。
目の前には、人が3人いる。
そのうちの1人に何かを言われて、
凛唯が後ろを見ると、そこにも誰かがいた。
凛唯は後ろにいた者の姿を見て、背筋を凍らせる。
立っていたのは、酷い猫背のゾンビだった!
異様なオーラに包まれたそのゾンビの顔は、
猫背のせいでほとんど見えない。
しかし数秒後、
不気味なゾンビは、ゆっくりと顔を上げる……。
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