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………
「はっ」
凛唯の意識は、
ゾンビに乗られている現実に戻った。
その直後、ゾンビは震えを止めた。
「ごがぁぁぁ」と声を出すと、
ゾンビは勢いよく
また凛唯の首に咬み付こうとしてきた!
「きゃぁっ。いやぁぁっ」
凛唯はゾンビの顎を下から
左手で押し上げる。
「うじゃわぁぁぁ―」
足元から声が聞こえたと思った瞬間、
凛唯の足がもう一体のゾンビに掴まれた!
「きゃぁぁぁ―――っ」
凛唯が、足をバタバタと動かせると、
足を掴んでいたゾンビを少しは追い払えた。
しかし凛唯の左手は、
上に乗ったゾンビの顎から滑っていた。
ゾンビは、凛唯の顔を咬もうとする!
激しくもがく凛唯の右手の指が
さっき落としたプラスチックのペンに当たる。
ゾンビの汚れた黒い歯が
凛唯の頬に触れた。
凛唯は恐怖で目を瞑り、
掴んだペンでゾンビの頭を狙う。
ガッ―――
顔に液体が零れてくるのを感じて、
凛唯は目を開ける。
ペンはゾンビの目に刺さっていた。
しかし、
ゾンビはまだ動いていて、
また咬み付こうとしてきた。
凛唯は右手のペンで、
何度も頭を刺そうとする。
ガッガッガッ――
だがプラスチックのペンでは
大したダメージを与えられず、
ペンもすぐに折れてしまった。
それでもゾンビは怯んでいたので、
凛唯は体を少し動かせた。
ゾンビの頭を右手で押さえながら、
彼女は自分の体を這わせる。
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