バベルの塔

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白い無機質な部屋で、私は目を覚ました。 ベッドに横たわる私の身、その左腕からは管がのび、その先にある機械が私の赤い血をすすっていた。 「検査はあとどれくらいで終わりますか」 私は貧血で朦朧とする頭で、近くで記録をとっている看護師に向かってそう尋ねる。 「あと1時間ほどです」 看護師は記録の手をとめぬまま無表情にそう答えた。 「そうですか…」 私はそう言って再び眼を閉じる。
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