ふきのとうが生えた  2022年3月31日

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ふきのとうが生えた  2022年3月31日

昨年、家のまわりに、ふきのとうの根をいくつかわけて埋めた。 庭、土蔵のふきん、畑ふきん。 結果、土蔵のふきんに生えた。 ふきのとうの根というのは、お墓に行く道すがら、 土手にたくさんあり、ただ、いつもわたしが取りに行くと、 すでに取られたあとで、腹立たしかったのだ。 たまに、わたしの近所の家の裏庭に生えているのを見た。 さも、どうです? いいでしょう? 取り放題ですよ? と、いわんばかりだ。 憎々しく、うらやましかった。 根は市販でも売っている。3本で500円ちかくもするのだ。 これは、田舎向けというより、市街地の家に住むひと向けである。 裏庭あたりに植えてたのしむようなものだ。 しかたなく、昨年わたしは、その、お墓に行く道に、 夕方、こっそりとバケツとスコップをもって掘り出したわけである。 田舎とはいえ、みな、野草とか摘みがてら散歩するわけである。 そんな散歩するひとに出くわしたくなかったので、 薄暗いところをわたしがこっそりと掘り出しにいくわけである。 なんとも見た目が異様で気持ちがわるいが、しかたないのだ。 そして今年、3月となり、そろそろ、生えてくるころである。 ふきのとうは、世間では2月ごろだが、わたしのすむところは、 すこし標高がたかいので、3月ごろだ。 あきらめていたころ、それを発見した。 が、すでに、時すでにおそく、葉は開いていて、賞味期限をすぎていた。 baa4935d-012a-46bb-b709-a332631ed0ae ee3e0a19-50b0-48d4-a790-732d9956c87e
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