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 二年目に、もう一つ忘れていない技術があることが分かった。  蒸し暑い夜、通り道の公園で痴漢に襲われた。  私は一撃で相手の鼻をへし折り、ローキックで膝を砕いた。 「お嬢さん、やりすぎだよ。空手の有段者が素人相手に」  調書を取っていた警官がぼやくように言った。 「空手…… 習った記憶がないんです」 「記憶にないって、あんなに見事に膝を折れる人はめったにいないよ」  灰色の髪の鋭い目をした警官は疑わしそうに私を見た。面倒だったが、一から説明して最初に私を見つけた警察に尋ねてもらうことにした。  当時、私を保護した警官はすでに退任していたが、その時一緒に私を保護した若い警官が残っていたようだった。 「話を聞いたよ。あんたも大変だったんだね」 「ええ」 「次からは気をつけなさい。あんたの両手両足はそのまま凶器になる」  私は厳重注意を受けただけで釈放された。  重傷の男が痴漢の常習犯で、殺人の容疑者でもあったからかもしれない。社内では『キラー雪』などと言われてからかわれたが、無事を祝って飲み会を開いてくれた。
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