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月曜日。誰もが暗澹たる気分になってしまう忌まわしき曜日である。しかし、月曜日から平日が始まるとあって大切な日である。ちなみに一週間自体は昨日の日曜日に始まっている。
そんな大切な日。そう、私の月曜日は一杯のコーヒーと一服のタバコで始める。
行きつけのカフェの、マスターのオリジナルブレンド。スッキリとした苦みが未だこびりつく眠気を振り払い、ほのかな酸味が体の隅まで突き抜ける。そして深いコクはかの暗澹たる気分を呑み込んでどこかへやってくれる。
マスターは良い仕事をしている。
だがそれを言葉にはしない。ハードボイルドは無闇にしゃべらないのだ。私のこの気持ちは、空になったカップが私以上に語っている。
そしてタバコを一服。ハードボイルドにタバコとコーヒーは欠かせない。そして、ハードボイルドは月曜日だからと言って、気持ちが沈んだりはしない。
灰皿に押しつけ火を消す。私の中で、月曜日の最初のタバコは二吸いまで。ルールを守るのもハードボイルド。タバコが嫌いな方もいるのだ。そんな方々に朝から嫌いな臭いを嗅がせるわけにはいかない。他人への配慮もまた、ハードボイルド。
さて、これで私の月曜日のルーティンが終わった。代金を支払いカフェを出る。それではこれから行きますか。五十社以上受けてやっと進んだ二次面接に。
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