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「あちゃー、まだ生きてるかな?久々だから加減できなかったわ。当分動きたくない」
肩を回しながらクロは呟いた。そのまま、視線をある方向に向ける。
「こっちは無事…っと。撤収しますか」
クロはマイにローブを被せるとその場から姿を消した。
「……ぅぅ」
『ニャッ!クロ!目を覚ましたニャ!』
「うるせぇよ、バカ猫」
私が目を覚ますとそこはさっきの屋敷ではなく、見覚えのある店だった
「マイ!」
胸にはギュッと抱きついてきたお姉ちゃん、テーブルにはクロさんがコーヒーを飲みながら寛いでいた
「あれ…?私…たしか…」
「危なかったな、もうすぐで豚の餌になってたとこだぞ。その前にこんがりベーコンにしてきたけど」
そこで気がついた。私はこの人に助けられたのだと。
「本当に良かった!マイが無事でいてくれて!」
『本当に危ないところだったニャ。クロもクロでさっさと行けばもっと早く助けられたのに…」
「助けたことには変わりねぇだろうが」
「あ、あの…ありがとうございます」
私がそう告げるとクロは小さく会釈だけして再び持っていた新聞に目をやってしまった
「さて!マイも無事に戻ってきたことだし!ご飯にしましょう!クロ達も食べていってちょうだいね?」
『ラッキー!今日はごちそうニャ!』
「もちろん。遠慮なく頂いていくわ」
~Fin~
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