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しかし、早く帰らないと色々とめんどくさくなる。私は意を決して扉の前に立った。
コンコン
アイ「し…失礼しまーす…」
扉を開けると目の前には見たことのないものが沢山広がった。毒々しい色をした花や草、トカゲやヘビのいる水槽、ドクロの形をした蝋燭等々…………
ぶっちゃけとても不気味だ。めちゃくちゃ怖い。
ガタガタッ
アイ「ひゃぁあ!」
いきなり何かが崩れ落ちたような音がし、大きな声を上げてしまった
アイ「何!なんなの!?」
後ろをばっと振り返るとそこには1匹の黒猫が崩れ落ちた荷物の上に座っていた。真ん丸の水色の目には私の姿が反射して不気味に映っている。
アイ「な、なんだぁ…猫かぁ…おいでー」
安心したせいか猫に向かって手を出してしまった
『はぁ…初対面でその態度はちょっと無礼じゃないかにゃ?』
突然、頭の中に小さな女の子の声が聞こえてくる。念話に似た感覚だ。
「へ?」
『全く。だから人間の雌は嫌いなんだにゃ。いきなり触ろうとしてきたりじゃれてきたり…礼儀のカケラもにゃい』
「も、もしかしてこの念話、あなたなの?」
『そうにゃ!私はアリス、このお店のマスコットにゃ!』
アリスと答えた黒猫は胸をポンと叩いて自慢げに話した。
「だーれがマスコットだ。バカアリス」
今度はカウンターの奥から声が聞こえてくる。どうやら本物の人っぽい、安心した
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