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「だーかーらー、アンタが領主だろうが何だろうが俺が好きで店やってんだから関係ねぇだろうがクソ豚。さっさと帰らねぇとチャーシューにするぞ」
「まったく…相変わらず野蛮ですねぇ~。おや?」
隣にいた私に気づいたのか鼻息を荒らげながらピッグは近づいてきた
「おやおやァ?いい娘じゃないですかぁ~。お前、私の妻になりなさい」
ピッグは汗で蒸れた手で私の手首を掴んできた。ヌルヌルする
アイ「きゃっ!止めてください!煮汁が付きます!」
「なっ……!私の伴侶になるというのに感謝が足りませんねぇ!」
「おい、いい加減にしろクソ豚。そいつはうちのバイトだ。手ェ出すんじゃねぇ」
いやバイトではないんですけど…
「ふふふ…このボロっちい店をなくすことなんて簡単なんですよ?大事な店なんじゃないんですかぁ?」
更に鼻息を荒らげブヒブヒ言っている。やっぱり気持ち悪い
「うるせぇよ。バイトってのはなぁ、金払えば何でもしてくれる便利な魔法みたいなもんだ。それを奪うってんなら容赦しねぇ」
キッと睨めつけている表情からは憎悪が感じ取られ背筋に悪寒が走った
「ちっ…今日のとこは引き上げてあげますよぉ~。ブヒヒ、ではまた今度…」
ヌルヌルした手を離したピッグは乱暴にドアを閉めて帰っていった。
「き…きもちわるかったぁ…」
「ほらよ、約束の品だよ。持ってけ」
ペタンと尻餅をついた私にタオルと品物をクロと呼ばれていた少年は手渡してくれた
「あ、ありがとうございます。」
「あいつは領主って建前で色々と下衆なことをやってるクズなんだよ、ちょっと豚みたいって弄ったら関わってくるようになりやがった」
「いや、それあなたが悪いですよね?」
「まぁいい。………気をつけて帰れよ?」
「はい、失礼します」
受け取った荷物を持って私は店から出た
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