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止めどもなく涙が溢れるってこのことなんだって、初めて知った。
自分の意思とは関係なく、馬鹿みたいに大粒の涙が幾度も幾度も流れていくのがわかった。
「ちゃんと、話しをきいて?
俺の友達にチーちゃんっていう男がいるんだけど、俺と別れたハルナはチーちゃんを好きになって告白したんだ。
だけどチーちゃんは同時に3人の女の子に気があるようなことを言ってて、それを問題視した俺らのグループ、わかるよな?
チーちゃんの他にユウスケ、ショウヤ、フミトとかだ。
そのグールプでそれはおかしいだろってなって話し合いをすることになって、そこにハルナが居た。
で、チーちゃんはハルナに謝って、俺もこう、久々に会っちゃうと、熱がぶり返したというかなんというか。
で、こうなった。」
嘘つき。
「大事なところが抜けてるでしょ?
マサから、俺がいいんだろ?って言ったんでしょ??
私が居ながら。」
綱島の視線が少し動揺して揺らいだ。
まさかそこまで情報が露呈してるなんて夢にも思わなかったのだろう。
その話しは知っていた。
だって、そのチーちゃんを好きになった3人の女の子の中の1人が、妹に私を心配するメールを送ったミナミって子だから。
この1週間の間に私はミナミちゃんと少し話していた。
どういう経緯でそうなったのか聴き出したかったから。
どうやらハルナちゃんとミナミちゃんには付き合いがあるみたいだったし。
ハルナちゃんから聞いたって言って、サラッと教えてくれていたのだ。
「・・・まぁ、そうなんだけど。
さっきも言ったように、久々に会っちゃうと熱がぶり返すというか・・・。」
ちょっと笑いながら軽く言われた。
笑い事じゃない。
真剣味がない。
本当にサイテー。
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