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次に俺の興味が惹かれたのは、オレンジ色の光源で取り囲まれたジュエリーショップだった。
絵画のように額縁の飾るコルクボードには、ネックレスやらイヤリングやらが高級感たっぷりに陳列されている。
そっと値札を確認してみると、二千四百円の文字と、隣には三千八百円。
最近のモノは、随分と出来が良い。
予算の範囲内だが、さすがにこれは学校には付けていけないだろうなと考えつつ、パールの光るアクセサリーを吟味する。
「ネックレスとかって、使ってました?」
隣に立つカイさんは、ちょっとだけ困ったような笑みをつくった。
「……校則では駄目だったかな。ネックレスも、ピアスも。でもピアスは付けてる子、いたと思ったけど」
……俺は今、何か変な事を言っただろうか。
カイさんはオレの見ていた陳列棚へ視線を移し、スッといつもの穏やかな表情へと変えて言う。
「この辺りを使うなら、学校外かな」
「……ですよね」
なんだ? 俺は何をしくじったんだ?
カイさんはいつでも綺麗に隠して、こちらが答えに辿りつく前になかった事にしてしまう。
越えられない壁を突きつけられているようで、とてつもなく歯がゆい。
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