カワイイ俺のカワイイ危機感

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大事な由実ちゃんのプレゼント。 けれどもその包装の出来栄えより、俺の意識は後方にあった。 「あの、すみません。あのネックレスって……」 「アクアマリンのやつですかぁ? かわいいーですよねーっ! アクアマリンって三月の誕生石なんですけど、その名前の通り海とも関連深い石なんで、夏生まれの方にも人気なんですよぉー。 ウチでも少し前から仕入れるんですけど、あのネックレスは元々数が少なっくて! 横に置いてるブレスレットとか、その対面側のネックレスならまだ数を確保出来たんですけどねぇー」 「そう、ですか」 「私もいいなーって思ったんですけどぉー、ちょっとデザインが大人っぽいじゃないですか? 似合わないって言われて、諦めたんですよぉー。やっぱ似合う人に使ってもらったほうが、向こうだって嬉しいじゃないですかぁー。あ、良かったらつけてみます?」 鍵を取り出そうとする店員さんに、慌てて手を振った。 「っ、すみません、自分用じゃないんで、大丈夫です」 「そうですかぁー。人にあげるやつって悩みますよねぇー。もし気になるようでしたら、是非またご来店くださぁーい」 人懐っこい笑顔で「ありがとうございましたぁー!」と頭を下げるお姉さんに軽く会釈して、店外の通路で立つカイさんの元へ向かう。 数が少ない、か。 あのお姉さんの感じなら、売るための嘘ではないだろう。 けれども"プレゼント"なんて。 カイさんに渡した所で、受け取ってもらえるのだろうか?
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