カワイイ俺のカワイイ贈り物

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躊躇いがちに視線を落としたコウくんが、次の瞬間、意を決したようにバッと顔を上げた。 「そのっ、カワイイですか!?」 「!?」 勢いに思わず硬直した俺を、コウくんは泣き出しそうな潤んだ瞳で見上げる。 「っ、おれ、も! もう少しっ、自分に素直になろうって、思って……! でも、髪も、これ以上は伸ばせないんで、ちょっとだけ、変えてみようと思って……」 (……やっぱり、『こっち』の人間だったか) 前回の様子からしてきっとそうだと思っていたが、思わぬ答え合わせに納得しながら理解する。 だから変わっていたのは、少しだけ伸びた髪と耳にかける仕草だけだけでなく、服装も以前より細身のシルエットになっていたのか。 いわばコウくんの努力の賜物。 微笑ましさに目元を緩めて、口角を上げた。 「カワイイですよ。元から可愛らしいですけど、更に色気が増しました」 「っい!?」 「でもこうしてコウさんの魅力に気づく方が増えていくのかと思うと、少し寂しい気もしますね」 ストレート、かつ、分かりやすく思わせぶりな物言いは、すっかりカイさんから盗んだ技術だ。 口をパクパクとさせるオーバーヒート気味のコウくんをゆっくりとクールダウンさせて、注文をとってからパントリーへ向かう。 その途中だった。
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