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そそくさと足を下ろしたレナさんは、信じられないという顔のまま、数度口を開閉させていた。
無言のまま立ち上がった俺にビクリと肩を跳ね上げると、自身を守るように胸元に手を寄せ、「ち、違うの……!」と必死の形相で叫ぶように言う。
「これはっ! その! ユウちゃんの為で……っ!」
「すみません、レナさん」
自身の口から発された声は、やけに落ち着いていた。
ヨロリと一歩下がったレナさんが、目尻が裂けんばかりに限界まで見開きながら、言葉の意図を探るように視線を彷徨わせる。
俺は彼女をしっかりと見据えながら、言葉を繋いだ。
「今回の件は、あなたの変化に気付けなかった『俺』に責任があります。もっと早くに、接触を控えるか……切り捨てるべきでした」
「……た、態度を変える? 切り捨てる? なにを言っているの? ユウちゃん」
「レナさん」
強い物言いに、レナさんが息を呑む。
「……貴方の知る『ユウ』は、あの店の『商品』です。お客様に払って頂いた金額への対価として、『サービス』を提供する。……あの店の『客』であるあなたにも、『サービス』を提供したまでです」
「っ、そんな……! だって、ユウちゃんはあんなにもっ、私を良く見てくれて」
「それが商品としての『ユウ』の、『サービス』なんですよ」
「!!」
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