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なんなんだ。ほんともう、なんなんだ。
耳まで真っ赤だとかそんなレベルじゃない。破裂しそうな心臓が血液を沸騰させて、そろそろのぼせて、鼻血でも出るんじゃないだろうか。
「……駄目もなにも……めちゃくちゃ熱烈な告白じゃないですか」
「だって、思ったコトだから」
「ていうか、なんでこんな時までそう……あー、もう! 俺のが男で! 漫画とかドラマならこう、ヒーロー側がバシッとかっこ良く決めて! ヒロインは可愛らしくテンパるか恥じるかする筈なのに! どうしてそう、俺よりも格好いいんですか!」
「私はユウちゃんがヒロインでも構わないよ? だって、やっぱりカワイイって思うし、私も格好いいって言ってもらえるのは、嫌じゃないから」
「カワイイって……っ! ……正直、嬉しいですけども! けど、やっぱ……いいのか……?」
あれ、お互いがいいのなら何も問題ないのでは。
困惑に語尾を緩めた俺に、両手を折りたたんだ膝の上に重ねたカイさんが眉を傾けながら言う。
「……やっぱり、『カイ』も演技ってワケじゃなくて、私の一部だから」
「それは……わかります。俺もやっぱり、『ユウ』の全部が嘘ってワケではないので……」
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