カワイイ俺のカワイイ本当

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「店の後輩のあいらと、幼馴染の俊哉です。二人共、拓さんとは知り合いです」 「あ、じゃあ、拓さんがお願いしたのって……」 「なんかしょっちゅう会話に出てたんで初めましてな感じは全然ですけどー、初めましてー」 「悠真がお世話になっています」 「あ、ううん、こちらこそ」 三人で順に頭を下げる様をどうしたもんかと眺めていると、店の扉が開かれた。 立っていたのは勿論、拓さんだ。 「あ、やっと揃った感じ?」 「拓さん! スミマセン、ご迷惑おかけしました」 駆け寄り頭を下げるカイさんに、「待ってください!」と俺も頭を下げる。 「全て俺の責任です。カイさんも、拓さんも、巻き込んでしまって……。本当に、すみませんでした」 「カイ、怪我は?」 「え? いえ、特にありませんけど……」 「ユウちゃんも、怪我はないね?」 「へ? あ、ハイ」 予想外の返しに思わず顔を上げると、拓さんは「ならいいよ」と大きく息を吐き出した。 「こーゆー仕事してれば、珍しいコトじゃないしね。お灸は据えてきたんでしょ?」 「あ、はい、一応……」 拓さんが頭を掻く。
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