カワイイ俺のカワイイ本当

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「なら一旦は様子見かな。ユウちゃんトコにはあいらちゃんと俊哉くんがいるし、こっちにはオレがいるし、 あとはオレとあいらちゃんの知り合いも使えば、ある程度は平気でしょ」 「え、ええと?」 話しが見えずに首を傾けると、時成が呆れ顔でカウンターを周る。 「警備ですよ警備ー。 痴情のもつれってコワイですからねー。……まぁ、レナさんはのめり込んだら周りが 見えなくなる節がありますけど、基本的には話が通じる人ですし、ユウちゃん先輩にガツンと言われたなら、このまま引いてくれるとは思うんですけどねー。一応、念の為ですー」 「俺はあんまりよくわからないけど、何事も、何かあってからじゃ遅いからね」 「そーゆーコト。ウチも、人気頭のカイに離れられちゃあ、困るしね」 「っ」 労わるような声色。 溢れる感謝を噛みしめながら「……ありがとうございます」と頭を下げると、隣でカイさんも低頭した気配がした。 守られている。こんなにも、大切に。 漂う穏やかな空気にこみ上げてきた目奥の熱さを耐える。 一変させたのは、愉しげな声だった。 「そーれーでー?」 時成と俊哉の隣へと歩を進める。
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