第一章 ニィちゃん

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そんな中、妙な女が目についた。 ボザボザの髪。 小汚いトレーナーとジーンズという格好。 とても女子大生には見えない女の隣に黒ヒョウがいる。 「飼育係? 今日そんなステージあったかしら」 ニィは、首をひねりながら眺めていた。 黒ヒョウなんて動物、滅多に見られるものじゃない。 それにしても……。 黒ヒョウは、子犬を連れ歩く程度の細いヒモでつながれている。 あんな頼りないロープで、大丈夫なんだろうか。 黒ヒョウが暴れだしたら、あっという間に切れてしまいそうだ。 すると、黒ヒョウがふいとこっちを見て、ばっちり、ニィと目があった。 金色の綺麗な目である。 黒ヒョウはちょっとその目を細めて、 「ふっ」 と笑った気がした。
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