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そんな中、妙な女が目についた。
ボザボザの髪。
小汚いトレーナーとジーンズという格好。
とても女子大生には見えない女の隣に黒ヒョウがいる。
「飼育係? 今日そんなステージあったかしら」
ニィは、首をひねりながら眺めていた。
黒ヒョウなんて動物、滅多に見られるものじゃない。
それにしても……。
黒ヒョウは、子犬を連れ歩く程度の細いヒモでつながれている。
あんな頼りないロープで、大丈夫なんだろうか。
黒ヒョウが暴れだしたら、あっという間に切れてしまいそうだ。
すると、黒ヒョウがふいとこっちを見て、ばっちり、ニィと目があった。
金色の綺麗な目である。
黒ヒョウはちょっとその目を細めて、
「ふっ」
と笑った気がした。
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