第四章

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『やっぱり無理だ!』 伸びやかな肢体を持つ若猫だけれど、リョーの家に来てから、ほとんど外にも出さずに大事に育てた。 入ってきた虫にも怯えるほど気が弱いアプリョのことは、リョーが一番よく知っている。 「こっちにおいで」 アプリョに戦うなんて無理、気の優しい子なのだ。 そう思って呼んだのに、リョーを抱えているリューイチはリョーの頭の上で、 「ぎぶあっぷか?」 からかうような声音で笑う。 「ねえさんのごえいから、おりるか。しっかくだぞ」 そんな風に言われたら、誰だってムッとする。 アプリョも例に漏れず、キッと影の方に視線を固めなおした。 そしてまた、 「ギャー!」 ひと声叫んで、影に飛びかかって行く。
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