我が娘

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そう、突っ込みをいれたかったのだが、 「それとね、良い絵だねって二人とも誉めてくれたのよ。お世辞でも嬉しかったわ」 と言った霖があまりにも嬉しそうで、言えなかった。 「良かったわね」 「うん。お母さんも忙しいのに、見に来てくれてありがとうね」 「……私も見に行ったぞ」 ボソッといつの間にか帰ってきた、主人が言った。 「あ、お帰りなさい。お父さんもありがとうね」 「…ああ…」 「何を照れてるんだか」 と私が主人に突っ込みを入れたら、霖はふふふと笑った。 それから、またしばらくしたある日、会社にいると内線が入った。 『三枝課長、今受付にお嬢さんがいらしてますので、下にお越しください。お願い出来ますか?』 『分かりました。今行きます、ありがとう』 席を外すことを回りに伝え、財布とスマホ、メイク道具の入っただけのトートバックを持って、エレベーターホールに向かうと、ちょうどエレベーターから降りてきた社員の会話が聞こえてた。 「さっきの子、誰を待っているんだろう?可愛かったよな」 「ああ、高校生くらいかな?」 それを聞いて急がなきゃと思う。 霖はここに来るのは初めてだ。 きっと待っている間、不安に違いない。 エレベーターから、降りると足早に霖の所に向かうと、受付前に霖が立っていた。
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