100人が本棚に入れています
本棚に追加
/92ページ
「あたしたちが狙われてるってことは、失敗したことは確実。ジェイソン。これが、裏の世界。暗殺者とか、そういうものの世界では、裏切りは死をもって、償われるものなのよ。あなたはそこに、手を出しちゃダメよ。これきりにしてね。それにね、ジェイソン。あなたは実業家として成功を収めたじゃない。素敵なジャズバーも経営してる。それは、お母さんが一番喜んでるはずよ。シェリーのことは、確かにあたしだって頭にくる。でも、シェリーにだってなにか考えがあるのよ。会ったとき、不幸そうには見えなかった。ちゃんと、そのことをわかってほしい」
あたしははっきりとジェイソンに向かってそう言うと、ジェイソンは驚きながらあたしを見つめて、きつく抱きしめてくれた。
「俺は…まだまだ知らないことが、多かったかな」
最初のコメントを投稿しよう!