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やがて美衣は結婚して、あたしは初めて一人暮らしをすることになった。匠は気を使ってくれて、一緒に住まないか、と提案してくれたけど、あたしはちょっと意地を張って、断ったんだ。
昔、ダディにサックスを教えてもらってたことを思い出して、匠はあたしにサックスを吹く機会を与えてくれた。
中華街を抜けた先の小さな十字路にある、小さなジャズバー。
そこで、あたしはサックスを吹いた。
辛い時や悲しい時、泣きたい時、あたしはサックスを吹いて、気を紛らわせることができるようになったんだ。
やがて、事件に巻き込まれてあたしは何者かにさらわれて、ニューヨークに連れてこられた。
あたしの両親を死に追いやったある組織の復讐だった。何故復讐かというと、匠が一人で、その組織に復讐していたんだ。だから、匠に復讐するためにあたしがさらわれたんだ。
その時、あたしには匠も認めた彼氏もいたけれど、さらわれて心細かった時、思い浮かべるのがいつも匠で、一番好きなのが匠だと気付いた…。
いつから異性として好きだったのかは分からない。
でも、匠だけを愛してる。
それだけは、ハッキリした。
そうして、匠は助けに来てくれて、またその組織を壊滅し、匠もあたしを好きだと言ってくれて、晴れて恋人同士になったんだ。
壊滅した組織関連で、また狙われるかもしれない。匠はそう思って、日本を離れる決意を固めた。もちろん、あたしも匠についていくことに揺るぎは ない。
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