第5章 賭け

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「そうよ。生きるってことはね、知らないことの方が多いのよ。だから、探りたいのよね。分かる。…だから、ジェイソン。今は、生きることを、願ってほしい」 「瑠生」 あたしの手は縛られたままだけど、ジェイソンの温もりは、嬉しかった。 間違いに気づいてくれた。それだけで、カウアイ島まで来た甲斐があった。 そう思った瞬間、銃声が響き、ボートの窓が激しい音を立てて、割れた。 「キャアッ!」 その音は心臓に悪い。バクバク言ってる。そして、あたしたちのボートに1人が乗り移ってきて、今度はライフルではなく小さな自動拳銃をその手に握りしめて、黒髪のサングラス男がやってきた。 「おまえがジェイソンだな。ちくしょう。へんな暗殺を計画しやがって。あいつがいたら、手を出せない。ヘタしたら、こっちの身が危うくなる」 独り言のように暗殺者が言うと、ジェイソンはあたしを抱きしめながらハラハラしている。
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