第1章

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俺は、高校のときに偶然心霊写真を撮って以来、再び心霊写真を撮りたくて、休日になると自殺の名所などそういういわつきの場所に出向いて撮影することをしていた。 その日も切り立ったサスペンスドラマのクライマックスに使われそうな崖を覗き込むように撮影していた。 「何を撮ってるんですか」 「いや、崖下を」 「崖下なんて撮って面白いですか」 「ま、ここは自殺の名所らしいから。もしかしたら心霊写真でも撮れるかもと思って」 「自殺者の心霊写真ですか、あまり、いい趣味ではないですね」 「ま、俺も高校生の時以来、そういうの撮れてないけど」 「あ、そこ崩れやすいですよ」 「ん?」 「あたしも、そこで落ちましたから」
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