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彼を追って飛び出した表通りで、忙しなく行き交う人の間を縫うように駆ける。 やっぱり正直に打ち明けてしまおう。 そうすれば、彼との“次”の可能性が出るかもしれない。例え警戒されたとしても、彼に近付ける1番の近道になるのなら。 土曜の夜らしい人混みに揉まれながら、キョロキョロと辺りを見回す。 ついさっき別れたばかりなんだから、まだこの近くにいるはずなのに。 思わず立ち止まる俺に、後ろを歩いていた女が舌打ちをする。カツンとヒールを鳴らして通り過ぎていく女に謝る余裕もなくて、とにかく視線を走らせた、その先。 「いたっ……」 歓楽街の入り口を示すアーチの手前。 ふわふわと風に揺れる柔らかそうな髪と、華奢な肩。垣間見えた横顔は間違いなく蓬莱さんで、俺は無意識に駆け出した。 周りの人が迷惑そうに顔を顰める。 彼の背中が遠ざかっていく。 もう少し、あと少しだから、お願い待って。
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